レセコン(レセプトコンピュータ)とは?薬局での役割と電子薬歴との違い
ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日
レセコンは、レセプトコンピュータの略称です。診療や調剤の内容をもとに、医療費(薬局では調剤報酬)を計算し、患者さんの会計と、保険請求のためのデータ(レセプト)の作成を行うシステムです。病院・クリニック・歯科・薬局で使われています。
薬局では、電子薬歴と並んで、日々の業務の中心にあるシステムです。この記事では、図でレセコンの役割をつかんだうえで、文章と表で補足します。
図で見る:レセコンとは

ファーマバンク編集部による整理図(一般的な概念の整理)。画像をタップすると拡大します。実際の機能や運用は、製品・施設によって異なります。以下の本文でも、同じ内容を文章と表で説明します。
レセコンは何をしているのか
薬局でのレセコンの役割は、大きく5つの工程で説明できます(一般的な流れの一例です)。
- 調剤内容の入力:処方内容や調剤した内容(薬剤、数量、日数など)を登録する
- 点数計算:調剤報酬の算定ルールにもとづいて、点数を自動で計算する
- 患者会計:患者さんの自己負担額を計算し、会計と領収書の発行を行う
- レセプトの作成:1か月分の調剤内容を集約した、請求のためのデータを作る
- 審査支払機関への請求:作成したレセプトを、毎月、保険請求につなげる
レセプトとは
レセプトは、医療機関や薬局が、保険診療にかかった費用を保険者へ請求するための明細書です。診療報酬明細書と呼ばれ、薬局が使うものは調剤報酬明細書(様式第五)という様式で定められています。患者さんに渡す領収書や明細書とは、別のものです。
請求の仕組み(公表されている内容)
審査支払機関(医療情報基盤・診療報酬審査支払機構)の公表では、次のとおり説明されています。
- レセプト電算処理システム:保険医療機関等が、電子レセプトをオンラインにより審査支払機関に提出し、審査支払機関が受付、審査、請求支払業務を行い、保険者が受け取る仕組み
- 請求の単位と期限:1か月の診療内容を集約したレセプトを作成し、診療翌月の10日までに提出する
- オンライン請求の原則:保険医療機関と保険薬局が審査支払機関に提出する診療報酬の請求は、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令」にもとづき、オンライン請求で行うこととされている(例外・経過措置の定めがあります)
レセコンは、この請求に使うデータを作成する側のシステムです。請求の期限や方法は、制度の改正で変わることがあるため、実際の運用は最新の案内で確認してください。
主な機能
| 機能 | 内容 | 薬局での場面(一般的な例) |
|---|---|---|
| 会計計算 | 患者負担額・保険請求額の計算 | 窓口での会計、領収書の発行 |
| レセプト作成 | 月次の請求データを作成 | 月初の請求業務 |
| 返戻・査定への対応 | 請求のミスの確認と修正 | 返戻されたレセプトの確認・再請求 |
| 統計・集計 | 売上、件数、診療科別などの管理 | 経営管理、処方元の集計 |
| 各種制度への対応 | 診療報酬改定、電子処方箋、オンライン資格確認などへの対応 | 改定時のシステム更新、運用の変更 |
会計計算
- 内容:
- 患者負担額・保険請求額の計算
- 薬局での場面(一般的な例):
- 窓口での会計、領収書の発行
レセプト作成
- 内容:
- 月次の請求データを作成
- 薬局での場面(一般的な例):
- 月初の請求業務
返戻・査定への対応
- 内容:
- 請求のミスの確認と修正
- 薬局での場面(一般的な例):
- 返戻されたレセプトの確認・再請求
統計・集計
- 内容:
- 売上、件数、診療科別などの管理
- 薬局での場面(一般的な例):
- 経営管理、処方元の集計
各種制度への対応
- 内容:
- 診療報酬改定、電子処方箋、オンライン資格確認などへの対応
- 薬局での場面(一般的な例):
- 改定時のシステム更新、運用の変更
電子薬歴・電子カルテとの違い
レセコンと電子薬歴は、役割が違うシステムです。「レセコン=電子カルテ」という理解は誤りで、レセコンは請求・会計の基幹であり、電子カルテ(医療機関)や電子薬歴(薬局)は、診療や服薬指導の記録が中心です。別のシステムですが、実際には連携して使うことが多くあります。
役割の違い(編集部による整理)
| システム | 役割 | 中心になるもの |
|---|---|---|
| レセコン | 会計・請求 | お金と請求の処理 |
| 電子カルテ | 診療記録 | 医師・医療職の記録 |
| 電子薬歴 | 服薬指導・記録 | 薬剤師による継続的な管理 |
レセコン
- 役割:
- 会計・請求
- 中心になるもの:
- お金と請求の処理
電子カルテ
- 役割:
- 診療記録
- 中心になるもの:
- 医師・医療職の記録
電子薬歴
- 役割:
- 服薬指導・記録
- 中心になるもの:
- 薬剤師による継続的な管理
電子薬歴の効率化については「電子薬歴で効率化できること」、薬局DX全体は「薬局DXとは」で説明しています。
なぜ重要なのか
- 会計を正しく出すため:自己負担額の計算を誤らないために必要です
- 保険請求を漏れなく行うため:請求の漏れや誤りは、返戻や査定につながるため、正確なデータの作成が求められます
- 診療報酬改定や制度変更に対応するため:改定のたびに、算定ルールや運用の見直しが必要になります。対応は、製品や提供元によって異なります
医療DXとの関係
近年は、クラウド型のレセコンや、電子薬歴・在庫管理などと連携するレセコンが提供されています(提供状況は製品ごとに異なります)。たとえば、メドレーの薬局向けクラウドサービスのように、電子薬歴・レセコン・在庫管理を組み合わせて提供する例もあります(詳しくは「医療系SaaSの業界マップ」を参照)。
職場選びで確認したいこと
システムの名前よりも、「日々の業務がどの程度スムーズか」が大切です。
- 電子薬歴とレセコンが連携していて、二重入力が少ないか
- 月初の請求業務に、どのくらいの時間がかかっているか
- 診療報酬改定や制度変更のときの対応体制(誰が、どのように対応するか)
- 返戻・査定の確認を、誰が担当しているか
確認のしかたは「DXの導入状況を見る」にまとめています。
