DXの導入状況を見る:求人で確認したい項目と、数字の読み方
ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日
薬歴や在庫、発注などの負担が重なっていた経験から、次はシステムの整った薬局で働きたい。そう考えるのは自然です(背景は「薬局DXとは」)。
ただし、「電子薬歴を導入している」という言葉だけでは、働きやすさは分かりません。このページでは、DXの導入状況を、具体的に確認するための項目と、読み方の注意点を整理します。全体の確認項目は「次の薬局で確認する項目」にあります。
確認したい項目
求人票、企業サイト、面接、見学で、次の項目を確認します。
薬歴・入力
- 電子薬歴を使っているか。クラウド型か、院内のシステム型か
- 薬歴の入力方法(テンプレート、AIなどによる入力支援があるか)
- 入力用の端末の数
- 在宅の訪問先や移動中に、入力できる環境があるか(タブレットなど)
在庫・発注
- 在庫管理のシステムがあるか
- 自動発注や、複数店舗での在庫の融通の仕組みがあるか
処方箋・患者対応
- 電子処方箋に対応しているか
- オンラインでの服薬指導に対応しているか
調剤の機器
- 調剤の機器(自動で分包・ピッキングなどを行う機器)があるか
組織・店舗間
- 店舗間でデータを共有できるか
- 本部にDXを進める担当や体制があるか
項目の確認のしかた
DXの項目は、聞き方で答えが変わります。次のように、具体的に聞くと実態が見えやすくなります。
- 「電子薬歴は何を使っていますか。入力の支援機能は使っていますか」
- 「訪問先で薬歴を入力できる端末はありますか。誰でも使えますか」
- 「在庫の発注は、システムで行っていますか。手作業の部分は残っていますか」
- 「電子処方箋には対応していますか。受け付けている件数はどのくらいですか」
- 「システムの導入や更新は、今後の予定がありますか」
電子処方箋は、厚生労働省の資料によると、薬局が処方箋の原本をデータで取得し、一包化などに先に取りかかることで、待ち時間の短縮につながるとされています。ただし、薬局での導入の状況や、実際に使われている度合いは、薬局ごとに異なります。
厚生労働省は、電子処方箋について2026年5月時点で9割以上の薬局に導入されていると案内しています(2026年10月3日に確認)。導入されている薬局は多い一方で、実際に電子処方箋を受け付けているか、どの程度活用しているかは、薬局ごとに異なります。面接では、導入の有無だけでなく、受け付けている件数や、運用の状況も聞きます。
DXだけで判断しないために
システムが整っていても、次のような場合は、負担が残ります。
- システムはあるが、処方箋の量に対して人員が足りない
- システムの機能が使われておらず、手作業が残っている
- 導入はされているが、使いにくく、現場の負担になっている
- 一人薬剤師の時間帯があり、システムがあっても対応できない
そのため、DXの項目は、次の項目とあわせて見ます。
- 薬剤師の人数と、処方箋の量(「薬局の人員体制を見る方法」)
- 一人になる時間帯の有無(「一人薬剤師を避けるための求人確認項目」)
- 残業の実態と、休暇の取りやすさ
- 管理体制と、人間関係
「導入している」の読み方
| 観点 | 見るポイント |
|---|---|
| 導入の時期 | 最近導入したのか、古いシステムを使い続けているのか |
| 使いこなしの度合い | 機能を使っているのか、一部だけ使っているのか |
| 導入の理由 | 業務の負担を減らすためか、制度対応のためか |
| 今後の予定 | システムの更新や見直しを続けているか |
導入の時期
最近導入したのか、古いシステムを使い続けているのか
使いこなしの度合い
機能を使っているのか、一部だけ使っているのか
導入の理由
業務の負担を減らすためか、制度対応のためか
今後の予定
システムの更新や見直しを続けているか
特定のサービスを導入している薬局が、働きやすい薬局であるとは限りません。サービス名よりも、どの業務が、どのように楽になっているのかを聞くほうが、実態が分かります。
悩みから原因を整理する
試しても変わらないときの、選択肢の一つ
次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、何がつらかったのかを、確認する条件の形にしておくことが大切です。
1. つらさを、確認する条件に言い換える
「何が、どの程度つらいのか」を、人員・処方箋の量・システム・業務の分担といった条件にしておきます。確認する項目は次の薬局で確認する項目にまとめています。
2. 条件を、第三者に相談してみる
条件を一人で整理し、職場の実際の状況まで調べるのは、負担が大きいこともあります。薬剤師の転職に関する相談を受け付けているサービスに、条件を話してみる方法もあります。転職するかどうかは、条件が整理できてから決めて構いません。
3. 比べて、判断する
サービスの内容・条件・料金などは、提供元の公式情報で確認してください。ほかの選択肢(異動、業務の分担の見直し、システムの見直し)とも比べたうえで、決めることが大切です。
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