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薬局の人員体制を見る方法:求人票の数字を、働きやすさにつなげて読む

ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日

人手不足がつらかった経験から、次の職場では人員に余裕のある薬局を選びたい。そう考えても、「人員体制は良好です」という言葉だけでは、実態が分かりません(背景は「調剤薬局の人手不足」)。

このページでは、求人票や面接で手に入る数字や情報を組み合わせて、人員体制を読み解く方法を整理します。全体の確認項目は「次の薬局で確認する項目」にまとめています。

集めたい情報

  • 薬剤師の人数(常勤・パートの内訳)と、事務スタッフの人数
  • 1日の処方箋の枚数(平均と、多い日)
  • 営業時間と、薬剤師のシフトの組み方
  • 在宅業務の件数、一包化など手間のかかる業務の量
  • 店舗の数と、他店舗との応援の仕組み

すべてが求人票に載っているとは限りません。載っていない項目は、面接や見学で確認する項目として控えておきます。

数字の読み方

1人あたりの処方箋枚数を、比べて見る

処方箋の枚数を薬剤師の人数で割ると、1人あたりの負担の目安が見えます。複数の候補を同じ方法で並べると、違いが分かりやすくなります。

  • 在宅や一包化が多い店舗では、同じ枚数でも負担が重くなる
  • 平均だけでなく、多い日や時間帯の偏りも確認する
  • 事務スタッフが分担する業務の量によっても、薬剤師の負担は変わる

この数字は、あくまで比較の目安です。数字だけで良し悪しは決まりません。

薬剤師1人あたりの1日の処方箋受付枚数ごとの薬局数薬剤師1人あたりの処方箋受付枚数(枚/日)の分布394薬局(n=394)/令和2年9月の1か月に応需した処方箋の枚数
薬剤師1人あたりの1日の処方箋受付枚数ごとの薬局数
区分値(薬局)
5枚以下12
6〜10枚23
11〜15枚76
16〜20枚102
21〜25枚68
26〜30枚45
31〜35枚30
36〜40枚17
41〜45枚13
46〜50枚1
51枚以上7
回答した薬局(n)394

回答した薬局(n):394

測定・集計の範囲:1日あたりの枚数は、1か月の合計を22日(同月の平日と土曜半日の和)で割って算出。薬剤師数は、常勤と非常勤の実労働時間などから算出

※ 眼科・耳鼻咽喉科・歯科の処方箋は、薬剤師1人あたりの上限が異なります(資料の注記)。このため、本調査のデータだけでは、各薬局が人員の基準を満たしているかは判断できません。

※ 調査は令和2年のものです。

出典:厚生労働省、薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ 資料2-1「医療安全を前提とした対物業務の効率化について」40ページ(出典: 働き方に関する調査-薬局の施設調査、令和2年度薬剤師の需給動向把握事業)(令和4年3月31日)。原文で確認:2026-10-03

比較の目安として、公的な調査では、薬剤師1人あたりの1日の処方箋受付枚数は、16〜20枚の薬局が最も多くなっています(令和2年9月の調査)。候補の薬局の枚数が、このうちどのあたりかを見ると、負担の大きさをイメージしやすくなります。

参考:薬局に置く薬剤師の員数の基準

薬局に置く薬剤師の員数は、省令(薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令)の第1条に定められています(e-Gov法令検索、2026年5月1日施行の現行条文、2026年10月3日に確認)。

  • 調剤に従事する薬剤師の員数は、一日平均取扱処方箋数を40で割った数以上であること
  • 一日平均取扱処方箋数は、前年の総取扱処方箋数を、前年に業務を行った日数で割って求める。眼科・耳鼻咽喉科・歯科の処方箋は、それぞれ3分の2として数える
  • 40で割った数が1に満たないときは1とし、端数が出たときは1人分として数える(切り上げ)

つまり、基準の上では、1日の平均が40枚以下の薬局は、薬剤師1人で足りる計算になります。ただし、これは員数の基準の一つで、時間帯ごとの配置、休憩や休暇のときの体制、在宅や一包化などの負担までは、この条文からは分かりません。個別の薬局の体制は、確認が必要です。

時間帯ごとの人数で見る

1日の平均人数ではなく、時間帯ごとの人数を確認します。開局直後や昼、閉局前に一人になるかどうかで、負担は大きく変わります(「一人薬剤師を避けるための求人確認項目」)。

人の入れ替わりを見る

人員の「今」だけでなく、「これまで」も手がかりになります。

  • 直近の退職や入れ替わりの状況
  • スタッフの勤続年数の幅
  • 同じ店舗の求人が、繰り返し出ていないか
  • 今回の募集が、増員なのか、欠員の補充なのか

求人が頻繁に出ている場合は、その背景を面接で確認します。理由には、店舗の拡大のような前向きなものもあれば、人が定着しにくい事情もあり得ます。数字だけで決めつけず、理由を聞くことが大切です。

答えの読み方

数字そのものだけでなく、数字の出し方や、答える側の様子も判断材料になります。

  • 数字で答えられる(人数、処方箋の枚数、退職の人数)

    実態を把握している職場です

  • 「忙しいときもあります」など、感覚だけの答え

    数字を聞き直して、把握しているかを確認します

  • 入れ替わりの理由を、具体的に説明できる(結婚・転居・独立など、事情が分かる)

    事情の説明に納得できるかを見ます

  • 入れ替わりの理由を、説明したがらない

    他の項目(求人の頻度、勤続年数の幅)とあわせて、慎重に見ます

  • 今回の募集の理由が、増員で、具体的な計画がある

    人員に余裕を持たせようとしている可能性があります

1つの答えで判断せず、複数の答えが一貫しているかを見ます。

面接で聞く質問の例

  1. 薬剤師と事務スタッフは、それぞれ何人ですか。時間帯ごとの配置を教えてください
  2. 1日の処方箋の枚数は、平均でどのくらいですか。多い日はどのくらいですか
  3. 欠員や休みの日の、応援の体制はどうなっていますか
  4. 直近の1〜2年で、退職や入れ替わりはありましたか
  5. 今回の募集の背景は何ですか(増員、欠員補充など)
  6. 新人や中途の教育は、どのように行われていますか

数字を鵜呑みにしないために

人員体制は、人数だけで決まるものではありません。処方箋の量、在宅の件数、システムの支援、管理体制とあわせて見て初めて、働きやすさの実態に近づきます。

複数の項目を照らし合わせ、答えが曖昧な項目は記録しておきましょう。直接は聞きにくい項目は、転職支援サービスなどを通じて確認する方法もあります。

悩みから原因を整理する

試しても変わらないときの、選択肢の一つ

人員や体制の問題は、個人の努力だけでは変えにくいことがあります。譲れない条件を整理してから、相談する方法もあります。

  1. 1. つらさを、確認する条件に言い換える

    「何が、どの程度つらいのか」を、人員・処方箋の量・システム・業務の分担といった条件にしておきます。確認する項目は次の薬局で確認する項目にまとめています。

  2. 2. 条件を、第三者に相談してみる

    条件を一人で整理し、職場の実際の状況まで調べるのは、負担が大きいこともあります。薬剤師の転職に関する相談を受け付けているサービスに、条件を話してみる方法もあります。転職するかどうかは、条件が整理できてから決めて構いません。

  3. 3. 比べて、判断する

    サービスの内容・条件・料金などは、提供元の公式情報で確認してください。ほかの選択肢(異動、業務の分担の見直し、システムの見直し)とも比べたうえで、決めることが大切です。

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出典