ファーマバンク PharmaBank

調剤薬局を辞めたいと思ったとき:辞める前に、何がつらいのかを切り分ける

ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日

「もう辞めたい」と思う日が増えてきた。そう感じるのは、わがままでも、弱いからでもありません。

ただ、「辞めたい」という一言には、まったく違う理由が混ざっています。何がつらいのかによって、辞めることが解決になる場合と、ならない場合があります。このページは、辞める・辞めないを急いで決めるためのものではなく、つらさを切り分けて、選択肢を見えるようにするためのものです。

つらさの中身を切り分ける

「辞めたい」を、原因の領域ごとに分けてみます。当てはまるものから、詳しい記事に進んでください。

複数にまたがることも多いので、一番大きいものを1つ選ぶところから始めます。

3つの問いで、考えを整理する

切り分けたら、次の3つを自分に聞いてみてください。

  1. 何が変われば、続けられるか:たとえば「残業が週○時間減れば」「一人の時間帯がなくなれば」と、条件を具体的に書き出す
  2. その条件は、今の職場で変えられる可能性があるか:相談してみたか、変わる見込みはあるか
  3. 試すための負担は、どのくらいか:相談や異動の申し出は、辞めるより小さな一歩で済むことが多い

1の答えが具体的になるほど、2と3も判断しやすくなります。「何となくつらい」のままだと、どこへ行っても同じ状態になる可能性があるからです。

辞める以外の選択肢も、並べてみる

辞める前に検討できる方法は、次のように幅があります。

  1. 業務の進め方の見直し
  2. システム・DX の活用(導入すれば必ず改善するとは限りません)
  3. 業務分担の変更
  4. 上司・会社への相談
  5. 店舗異動
  6. 勤務形態の変更(勤務日数・時間など)
  7. 外部への相談
  8. 転職

転職は、これらを検討したうえで、それでも変わらない場合の選択肢です。ただし、すべてを試し切ってからでなければならないわけではありません。つらさの度合いや、変わる見込みによっては、早めに環境を変えるほうが良いこともあります。

職場ではなく、仕事そのものがつらいとき

職場を変えても、疲れが変わらない場合があります。次のような感覚があれば、職場の問題ではなく、仕事の性質や自分の気持ちが関係しているかもしれません。

  • 以前の職場でも、同じようなつらさを感じた
  • 環境が整っていても、仕事に向かう気持ちが戻らない
  • 特定の誰かや出来事ではなく、全体的に疲れている

この場合は、辞めるかどうかの前に、次のことを考えます。

  • 休むこと:休暇や休職など、少し離れる選択肢がないか
  • 働き方の幅:薬剤師の働き方には、勤務先の種類や勤務形態などに幅があります。調剤薬局以外の場や、勤務日数を減らす働き方が自分に合うかを考える
  • 相談:職場以外の第三者に、気持ちを整理する場を持つ

厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」では、薬剤師が従事する場が、薬局、病院・診療所などの医療施設、医薬品関係企業などに分けて集計されています。2024年12月31日現在では、届出薬剤師329,045人のうち、薬局に従事する人が197,437人(60.0%)、医療施設に従事する人が63,290人(19.2%)です(2026年10月3日に確認)。働く場は調剤薬局だけではありませんが、それぞれの業務の内容や条件は大きく異なります。具体的に検討するときは、各勤務先の公式の情報で確認してください。

休職や休暇の制度は、会社の就業規則に定められている場合があります。まず就業規則で確認し、不明な点は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどに相談できます。

心や体が限界に近いとき

眠れない、食欲がない、朝になると動けない、涙が止まらない。こうした状態が続いているときは、「辞めるかどうか」を考える前に、休むことと、専門家に相談することを優先してください。判断力が落ちているときに、大きな決断を急ぐ必要はありません。

心の不調について:厚生労働省が運営する「こころの耳」では、働く人やご家族などを対象に、電話・SNS・メールによる相談が案内されています。匿名で、無料で相談できるとされています。

職場の問題について:労働条件、いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントなどの相談は、都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」で受け付けています。無料・予約不要で、面談または電話で相談できます(土日祝日・年末年始は閉庁)。

辞めると決めたら

辞めることを決めた、または決めかけているときは、次のことを確認します。

  • 次の職場で同じ問題を繰り返さないための条件:「次の薬局で確認する項目」にまとめています
  • 退職の手続きと時期:就業規則や雇用契約書に、退職の申し出の時期や手続きが書かれています。引き継ぎの期間も含めて、計画的に進めます

厚生労働省の「確かめよう労働条件」には、退職のルールについて次のような説明があります(2026年10月3日に確認)。

  • 期間の定めのない雇用の場合、労働者が退職を申し入れてから、原則として2週間が経過すると、雇用契約は終了します(民法の規定)。会社が退職を認めない場合でも、この期間の経過で効力が生じるとされています
  • 期間の定めのある雇用の場合は、やむを得ない事由がなければ、契約期間の途中では退職できません。ただし、契約から1年を経過した日以後は、いつでも退職できるとされています
  • 就業規則で退職の手続きが決められている場合は、それに従うことが重要とされています
  • 確実に退職したい場合は、退職の意思を明確に記載した「退職届」を提出することが無難とされています

退職をめぐるトラブルについては、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」で相談できます。実際には、引き継ぎや有給休暇の消化の時期も含めて、早めに計画を立てるのが安心です。

焦って決めない

つらいときほど、「今すぐ辞めたい」という気持ちが強くなります。その気持ちは、本当のサインです。ただし、切り分けて、選択肢を並べてから決めた判断のほうが、後悔が少なくなります。

辞める決断が正しいかどうかは、他の人には決められません。このページが、自分で選ぶための材料になれば幸いです。

業務フローの中での位置

原因として考えられる領域

  • A. 業務量処方箋過多・薬歴・在宅・患者対応・一包化
  • B. システム/DX電子薬歴・在庫管理・二重入力・紙業務・端末不足
  • C. 人員一人薬剤師・欠員・応援不足・採用不足
  • D. 組織・人間関係管理薬剤師・上司・同僚・経営者・ハラスメント
  • E. 待遇・キャリア給与・昇給・休日・役職・将来性

解決方法を検討する順序

  1. 業務改善:業務の順序・分担・時間配分を見直す。
  2. SaaS/DX:システム導入で効率化できる領域がある場合に検討する。導入すれば必ず改善するとは限らない。
  3. 業務分担:薬剤師・事務スタッフ間などで役割分担を見直す。
  4. 上司・会社への相談:管理薬剤師・エリア担当・本部に状況を伝え、配置や体制の調整を相談する。
  5. 店舗異動:同じ会社内で、体制や業務環境の異なる店舗への異動を検討する。
  6. 勤務形態変更:常勤・パート・勤務日数など、働き方の契約条件を見直す。
  7. 外部相談:社外の相談窓口や第三者に状況を整理してもらう。
  8. 転職:現職での改善が難しい場合の最後の選択肢。次の職場で同じ問題が起きないよう条件を確認する。

次の職場を考えるときに

試しても変わらないときの、選択肢の一つ

次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、何がつらかったのかを、確認する条件の形にしておくことが大切です。

  1. 1. つらさを、確認する条件に言い換える

    「何が、どの程度つらいのか」を、人員・処方箋の量・システム・業務の分担といった条件にしておきます。確認する項目は次の薬局で確認する項目にまとめています。

  2. 2. 条件を、第三者に相談してみる

    条件を一人で整理し、職場の実際の状況まで調べるのは、負担が大きいこともあります。薬剤師の転職に関する相談を受け付けているサービスに、条件を話してみる方法もあります。転職するかどうかは、条件が整理できてから決めて構いません。

  3. 3. 比べて、判断する

    サービスの内容・条件・料金などは、提供元の公式情報で確認してください。ほかの選択肢(異動、業務の分担の見直し、システムの見直し)とも比べたうえで、決めることが大切です。

PR広告

このリンク・バナーは広告を含みます。詳しくは広告・アフィリエイトについてをご覧ください。

出典