在庫管理を効率化する方法:負担の出どころを分けて考える
ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日
在庫管理は、発注、欠品への対応、不動在庫の整理、棚卸など、細かい仕事の集まりです。一つひとつは小さくても、積み重なると閉局後の作業や残業につながります(「薬剤師の残業が減らない理由」)。
このページでは、在庫管理の負担を分けて、手順の工夫で変えられるところと、システムで変えられる可能性のあるところを整理します。特定のサービスをすすめるものではありません。
負担の出どころを分ける
在庫管理の業務は、次のように分けられます。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 発注 | どの医薬品を、いつ、どれだけ発注するかの判断と手続き |
| 欠品への対応 | 在庫がないときの、取り寄せや他の店舗・卸への手配 |
| 不動在庫の整理 | 動かない在庫の確認と、扱いの判断 |
| 棚卸 | 実際の在庫の確認と、帳簿との照合 |
| 医薬品の回収への対応 | 回収の対象かどうかの確認と対応 |
| 店舗間の在庫の移動 | 複数の店舗で在庫を融通する手続き |
発注
どの医薬品を、いつ、どれだけ発注するかの判断と手続き
欠品への対応
在庫がないときの、取り寄せや他の店舗・卸への手配
不動在庫の整理
動かない在庫の確認と、扱いの判断
棚卸
実際の在庫の確認と、帳簿との照合
医薬品の回収への対応
回収の対象かどうかの確認と対応
店舗間の在庫の移動
複数の店舗で在庫を融通する手続き
どれが一番時間を取っているかによって、見直す方向が変わります。まず、1〜2週間、どの作業にどれだけ時間がかかっているかを記録すると、見えやすくなります。
手順や分担の工夫で変えられること
システムを使わなくても、次のような見直しで負担が変わる場合があります。
- 発注のタイミングと担当を決める:誰が、いつ発注するかを固定し、閉局後に集中しないようにする
- 動かない在庫を、定期的に確認する:確認の頻度とルールを決める
- 欠品が出やすい医薬品を共有する:欠品の対応を、その場の判断に頼らず、店舗内でそろえる
- 作業を分担する:薬剤師でなくてもできる作業を、事務スタッフに任せられないか確認する
システムで変えられる可能性のあること
在庫管理のシステムには、発注や在庫の確認を支援するものがあります。公式に公表されている情報を、一例として見てみます。
公式情報で見る一例:MEDIXS 在庫管理
MEDIXS(株式会社メドレーが提供)の在庫管理について、公式ページには次のような記載があります(2026年10月3日に確認)。
- 主な機能として、自動発注、分譲依頼、処方出庫、予製管理が挙げられています
- 「AIが最適な発注を自動で算出」し、従来の定量発注に比べて欠品のリスクを抑える、と説明されています
- 「分譲依頼」により、グループ内で医薬品を譲渡・譲受でき、不動在庫や期限が近い医薬品の活用、廃棄の削減につなげられる、と説明されています
- 予製を在庫として管理し、動かせる在庫の数量を把握できる、と説明されています
公式ページには、これらの効果を示す数値や根拠は記載されていません(2026年10月3日時点)。「欠品リスクを抑える」などの表現は提供元の説明であり、すべての薬局で同じ効果が出ることを示すものではありません。
また、2025年9月1日の株式会社メドレーの発表では、「MEDIXS 在庫管理」と「MEDIXS レセコン」の提供開始は2026年4月以降の予定とされています。実際の提供状況や条件は、提供元の最新の情報で確認が必要です。
システムで変わりにくいこと
- 在庫を置く場所や、棚の整理の工夫
- 薬局ごとの処方の傾向に応じた、在庫の考え方の判断
- 人員が足りず、発注や確認の時間を取れないという状況
システムは作業を支援しますが、人員や分担の問題までは解決しません。導入には、操作の習得や運用の見直しの手間もかかります。
職場で確認したいこと
- 在庫管理の作業のうち、どれが一番時間を取っているか
- 発注、不動在庫の確認、棚卸の担当とタイミング
- 複数店舗での在庫の融通の方法
- 使っているシステムの機能のうち、使いこなせていないものはないか
薬局DX全体の考え方は「薬局DXとは」、求人を見るときの確認項目は「DXの導入状況を見る」を参照してください。
