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調剤とは:薬局で行う作業の流れと、薬剤師法で決まっていること

ファーマバンク編集部 / 公開日 / 更新日

調剤は、処方箋にもとづいて、薬を取りそろえ、必要に応じて計量・混合・一包化などを行う業務です。調剤の流れでは、処方監査・調剤設計のあとに行い、そのあとに最終監査・服薬指導・薬剤交付へと進みます。

「取り違えが怖い」「一包化や散剤に時間がかかる」「欠品の対応で手が止まる」といった負担は、この工程で起きやすいものです。この記事では、作業の区分と、薬剤師法で決まっていること、負担が生まれる理由を整理します。

調剤の作業の区分

調剤には、次のような作業が含まれます(一般的な区分の例で、薬局によって呼び方や分担は異なります)。

  • 調剤設計

    内容(一般的な例):
    一包化や分割など、薬をどのように準備するかを決める
    注意が必要な点:
    飲みやすさ・管理しやすさへの配慮
  • ピッキング(計数調剤)

    内容(一般的な例):
    処方箋に記載された薬を、必要な数量だけ取りそろえる
    注意が必要な点:
    薬の取り違え、数量・規格
  • 計量調剤

    内容(一般的な例):
    散剤や水剤などを、量って調製する
    注意が必要な点:
    計量の正確さ
  • 一包化

    内容(一般的な例):
    複数の薬を、服用時点ごとに一包にまとめる
    注意が必要な点:
    時間がかかる。数量の確認
  • 散剤・水剤の調剤

    内容(一般的な例):
    散剤の混合・分包、水剤の調製
    注意が必要な点:
    混合・計量の正確さ

薬剤師法で決まっていること

調剤に関わる主な条文は、薬剤師法の第19条から第27条にあります(e-Gov法令検索、2026年10月4日に確認)。

調剤に関わる薬剤師法の条文(要旨)

  • 第19条(調剤)

    内容(要旨):
    薬剤師でない者は、販売または授与の目的で調剤してはならない(医師・歯科医師が一定の場合に自己の処方箋により自ら調剤する場合などを除く)
  • 第22条(調剤の場所)

    内容(要旨):
    薬剤師は、居宅等で行う場合など法令で定める場合を除き、薬局以外の場所で、販売または授与の目的で調剤してはならない(病院・診療所の調剤所での調剤などの例外がある)
  • 第23条(処方せんによる調剤)

    内容(要旨):
    薬剤師は、医師・歯科医師・獣医師の処方せんによらなければ、販売または授与の目的で調剤してはならない。処方された医薬品を変更して調剤するには、処方した医師などの同意が必要
  • 第25条(調剤された薬剤の表示)

    内容(要旨):
    調剤した薬剤の容器または被包に、処方せんに記載された患者の氏名、用法、用量など、厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない
  • 第26条(処方せんへの記入等)

    内容(要旨):
    調剤したときは、処方せんに、調剤済みの旨、調剤年月日などを記入し、記名押印または署名しなければならない
  • 第27条(処方せんの保存)

    内容(要旨):
    薬局開設者は、調剤済みとなった処方せんを、調剤済みとなった日から3年間、保存しなければならない

薬剤師以外が行える範囲

調剤を薬剤師が行うのが原則ですが、機械的な作業の一部は、薬剤師の指示のもとで薬剤師以外が行うことが、国の通知で整理されています(「調剤業務のあり方について」、平成31年4月2日)。

  • 薬剤師の指示にもとづき、薬剤師の目が現実に届く場所で、PTPシート等のまま包装された医薬品の必要量を取りそろえる行為
  • 薬剤師による監査の前に行う、一包化した薬剤の数量の確認行為

ただし、調剤した薬剤の最終的な確認は、薬剤師が自ら行う必要があります。また、軟膏剤・水剤・散剤などを直接計量・混合する行為は、薬剤師による途中の確認があっても、薬剤師法第19条に違反するとされています。詳しくは「調剤機器・自動化」で整理しています。

時間の目安:公的な調査から

厚生労働省の資料(令和3年度の調査)では、処方箋1枚あたりの業務のうち、「計数調剤」は平均で2分33秒とされています。

処方箋1枚あたりの主な業務時間処方箋1枚の受付から薬剤交付・記録までの平均時間(業務ごと)5か所の薬局の外来患者、76枚の処方箋/資料の公表は令和3年(2021年)。調査の実施時期は、このページには記載がない
処方箋1枚あたりの主な業務時間
区分値(秒)
受付・薬袋準備1分08秒
薬歴確認・処方箋監査2分26秒
計数調剤2分33秒
監査3分05秒
薬剤交付・服薬指導3分29秒
合計(処方箋1枚)12分41秒

合計(処方箋1枚):12分41秒

測定・集計の範囲:調剤のうち、計数調剤(錠剤などを取りそろえる行為)を測定。液剤などの計量調剤、一包化を要する業務は含まない

※ 調査対象が小さく(5薬局・76枚)、全国の平均を示すものではありません。

※ 調査から数年が経っています。現在の薬局の状況と同じとは限りません。

出典:厚生労働省、中央社会保険医療協議会 総会 総-2「調剤(その2)」31ページ(令和3年10月22日)。原文で確認:2026-10-03

調査の対象は5か所の薬局・76枚の処方箋で、全国の平均を示すものではありません。また、この調査は計数調剤を測定したもので、液剤などの計量調剤や、一包化を要する業務は含まれていません。

負担が生まれやすいポイント(編集部の整理)

  • 一包化・散剤

    起きやすいこと:
    作業に時間がかかり、処方箋が集中すると、待ち時間につながる
  • 取り違えの防止

    起きやすいこと:
    薬の取り違えを防ぐ緊張が、忙しい時間帯にも続く
  • 欠品・在庫

    起きやすいこと:
    在庫がない薬の取り寄せや、代替の相談で、作業が止まる
  • 人員

    起きやすいこと:
    人数が少ないと、調剤・監査・受付を兼ねることになる

これらは、処方箋の量、人員、設備によって変わります。在庫の面は「在庫管理を効率化する方法」、人手の面は「人手不足の悩み」を参照してください。

職場選びで確認したいこと

  • ピッキング、一包化、散剤の作業を、誰が、どの手順で行っているか(機器の有無、手順書)
  • 薬剤師以外が行う作業の範囲と、薬剤師の確認の方法が決まっているか
  • 取り違えを防ぐ仕組み(監査の方法、バーコードなど)があるか
  • 欠品が出たときの対応体制

調剤の流れ全体の中での位置づけは「薬局の業務フロー」にまとめています。

業務フローの中での位置

出典